未知の恐怖

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何があったのか聞いてみたい。 でも、聞ける雰囲気ではない。 それくらい切羽詰ったというかなんというか。 俺は黙ってメールが終わるのを待つ以外なかった。 考えて、打ち込んで、確認して、考えて。 それをエンドレスにして約一時間。 立ち上がった男は、携帯を握り締めて走り出す。 そして。 「…クソ……クソがぁぁぁ!!!」 「…っ!」 砂を蹴って、蹴って、蹴りまくって。 頭と拳を砂に打ち付けて、打ち付けて。 常軌を逸した行動にも、ストレスを発散させる行動にも見えるそれを5分ほど続けると、ようやく冷静に息を整える。 一連の行動はメールを見た直後から。 原因はメールにあると思うんだが、何度見ても俺にはピンと来ない普通のメール。 そろそろ落ち着いたかと思って声をかけようとするも、それは男に遮られた。 「…お前、何も気づかなかったか。」 「……うん。ごめん。」 「…まぁいい。メールを見ろ。」 「うん。」 「…ルールその1から3、死者数があるだろ。」 「ああ。」 「ルールその2、何か覚えているか。」 …ルールその2。 確か、思うままSEXに溺れて構わない。 ただし、達することはできない。 「……あっ!!」 「気づいたか。」
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