未知の恐怖

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そうだ。 俺たちは昨日目撃した。 見た限り、どっちもイったはずだ。 なのに、死亡者数は”1” 「…もしかしたら、どっちかがイってなかったとか」 「確認した。それはない。」 「確認!?どこで?」 「管理本部だ。」 こいつから聞いていたはずだ。管理本部は文字通り俺たちの行動を監視し管理する。 そして、些細な情報が欲しければ、管理本部に聞けば簡単に教えてくれる。 そんなことも分かるのか、と、背筋が寒くなった。 「どっちもイったのに、処刑人は一人に送られた。 …なんか違うと思った。どこかの歯車が狂っていると感じた。」 「……それで?」 「管理本部は聞いたことにしか答えない。だから探りを入れながら聞き当てるしかなかった。 その答えがこれだ。 …クソ!やってくれるぜ… …増加されたゲーム参加者の”三大欲求”は、ルールが少し違う。 食料は存分に与えられる。 たとえイっても殺されない。 一日中寝ても殺されない。」 「……なんだよそれ!!卑怯だ!!」 「ただし、条件がある。 人を殺してはいけない。 強奪してもいけない。 罪を犯せるなら、強姦のみ。」 「…そんな軽い条件…」 「連れてこられた犯罪者は、殺人、強盗、それらを繰り返し行ってきた快楽者たちだ。それを生きがいにしてきた奴等にとっては、条件は厳しい。 しかも、相手が死亡確定なら、その条件も守らなくていい。」 「…どういうこと?」 「昨日の女、あいつが俺たちと一緒にここに来た奴で男が二度目に来た奴だとする。 男は強姦しようがイこうが死なない。 女はイった瞬間死亡確定。 だったらそいつから強奪してもいいし、殺しても男に罪はないってことだ。」
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