未知の恐怖

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…そんなの、最早”三大欲求”じゃない。 混乱させるためなのか? それとも試しているのか? 管理本部の意図が分からない。 「…しっかりあるぞ。三大欲求。」 「え?」 「お前、三大欲求じゃなくなってると考えただろ。」 「だ、だってそうだろ!」 「違う。そいつらにとって三大欲求は違うんだ。」 「…何?」 「管理本部が課した欲求は、 1、仲間・友人・恋人を作ってはならない。 2、寝るときは横になって寝ることができない。 3、一箇所に定住することはできない。 …分かるか。 一匹狼の奴らの塊。 座ったまま寝るしかない。 常に移動しなければいけない。 それらが奴らのゲームだ。」 「……………」 「…三大欲求…なるほどな。 人間が欲するものを制限するゲーム、か。 これは”八大欲求”に含まれているものだ。」 俺たちのルールとは違うルール。 そして、それをこの短時間で気づき、理解するこの男。 「…お前の頭はどうなってんだ?」 「…あ?」 「どれだけ頭の回転が速いんだよ。」 「…そうか?俺より早い奴がいたぞ。離れた仲間に。」 「そういうことは置いておいてだな!昨日から俺はお前についていけねぇよ!なんなんだよ、その理解の凄さは!」 「…お前が考えなかっただけだろ。」 「そうとも言うけど! …だぁぁぁ!もう!それで!?続きは!?」 「急に切れるなよ。…ま、俺らは攻略方法を考えて行動しなきゃいけないってこと。」 「それだけかよ!」 突っ込み入れても男はさほど動じない。 それどころか、顔つきが真剣なものに変わった。 「…お前、何をする気なんだ?」
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