無人島

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しかし、そんな簡単に水源が見つかるはずもなく、時間だけが過ぎていく。 その時、再度携帯が鳴った。 《皆さま! ゲームスタートまで5分を切りました。 心の準備はいかがでしょうか? スタートと同時に、皆さまが最初におられた場所へ空から食料を配布致します。 次回の配布は一週間後です。出来るだけ、元の位置に戻って回収した方が懸命でしょう。 なお、ゲーム前にルール違反者が現れましたので、管理本部が刑執行人(スイーパー)を送りました。 それにより、スタートは98名となります。 ゲーム開始前は普通の日本国憲法の適用。 言わずとも分かるでしょう? それではもうしばらくお待ちください!》 「…チッ!」 その刑執行人とやらには、憲法は適用されないのかよ! 頭で突っ込みながら携帯を取り出し、地図を出す。 登録位置は、約500mといったところか。 俺の近くに人影はなし。 目視で印を決め、歩きながら一旦携帯を切り替える。 画面は"時計設定" 空腹状態や身体の怠さから考えて、俺はあの場所で何日寝ていたか分からない。 自分の"今日"が当てはまらないと考えた。 2×××年 1月1日 13:00 これでいい。 この日から三ヶ月、約90日でゲームは終了。 時間も分かるというわけだ。 立ち止まり、その時を待つ。 メールを確認する前に着信と同時に設定を押す。 これでいい。 上空から無数のヘリの音が近づいてきた。 地図に切り替えると、一直線にアジトへ走った。
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