無人島

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慌てて戻ったものの、地図上100m圏内で人影は確認できなかったので、息を整えるために歩くことにした。 途中、上空から様々な場所に食料が投下されたのを確認。 しかし、場所がアバウトすぎて分かりづらい。 「…あちい…結構南か?」 ジャングルに似た場所だからと言えば聞こえはいい。 が、俺が住んでいた関東は、やっと桜が咲いたばかり。日中は過ごしやすいと感じる季節だ。 関東より南に位置すると考えるのが妥当だろう。 流れる汗を袖で拭いながら、やっと辿り着いたアジト。 周辺を見回すと、15mほど先に荷物が。 これが俺の食料だろう。 それを持って草を掻き分け洞窟へと入る。 ライトは手動式。 回して蓄電し、点灯する。 考えたら、俺はかなり運がいいかもしれない。 外の暑さに比べ、洞窟の中へ行けば行くほど涼しくなる。 出入り口は、普通に歩いていれば絶対見つからない場所だろう。なんせ、草が塞いでるのだから。 火はあるし。 ナイフもサバイバルには便利だ。 最奥へ辿り着き一息つくと、回収したものをチェックした。 「…クソ…そういうことか…!」 ルール1 お腹いっぱいたべてもいい。 だが、一週間に一度の配給。 中身は、 2lペットボトルの水が一本 米が約2合 ステーキ肉が一枚 鯖が一匹 キャベツが1/6玉 玉ねぎ、人参、ジャガイモが一個ずつ とても一週間過ごせる量じゃない。 「…なるほどな。 自力で食料を見つけるか、人のものを奪うか。 サバイバルなのに食料を配布とは、親切だと思っていたが…逆だな。」 略奪しようが殺人を犯そうが合法になった開始の合図は、まさに"食料争奪戦"から身を守るための方法を考えなくてはならない現実。
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