未知の恐怖

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悠馬はよく頭が回る奴だ。 きっといろんなことを考えて予想して行動している。 でも、こんなことまで考えるなんて。 俺が考えなしってのもあるかもだが、それ以前の問題のような気がする。 「そっちはもうできない。毎日人間が死んでるし、俺だってもう殺してる。 その他の方法を考えた。 二弾目の連中が来たときに思い付いた。 …このゲーム、死活問題一番は睡眠。じゃあ二番はなんだと思う。」 「当然、食料でしょ。」 「そう。人間は食料で戦争を起こすほどの生き物だからな。その欲は凄まじい。 二弾目、食料は十分にある。そいつを仲間にすることが生き残るためのキーだ。」 「そうだ…たくさん与えられているはず… でも、三大欲求があるじゃねぇか。」 「…そこだ。その問題をどうやって切り抜けられるか。お前、たまには考えろ。」 「えっ!!…えっと…うー……」 「いい案が出たら起こせよ。」 「寝るのかよ!ふざけんな!」 確かに、たまには自分も考えないと。 少しでも悠馬の"相棒"として役に立ちたいし。 そう思ってその事だけを考えた。 二弾目の三大欲求は 『仲間・友人・恋人を作ってはいけない』 仮に俺たちが声をかけて仲間にすることができたとしても、そいつは処刑確定になる。 …そもそも、 「…んー……どこからが仲間ってなるのかな…」 腕を組み、首を傾げる。 瞬間、ガバッ!と勢いよく起きた悠馬。 「ぎゃあ!」と情けない声が出てしまった。 「…天才!」 悠馬は俺を指差し、一言。 …天才?なんで? 俺はパニック中だ。 そんな中、悠馬は携帯を取り出し、夢中でメールを打ち始めた。
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