未知の恐怖

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ここから直線距離で200m程だろう。 砂浜で休んでいた俺たちは、崖の上から海を眺めるそいつを発見するのは簡単だった。 月明かりに照らされた光る身体。 何とも言えない光景。 「…ヨーロッパ辺りの甲冑…」 「ヨーロッパ?」 「多分な。日本の甲冑はあんなものじゃないだろ。中世の甲冑か?」 「…あ!鋼の弟みたいな!」 「それ。…しかし、あいつ何してるんだ。あれもアイテムの一つなのか?」 得体の知れないものを目の前にして俺は結構ビビってるのに、悠馬はそいつを凝視して興味津々だ。 その場で立ち上がってまで見だした。 でも、これも情報なんだ。 悠馬の知識は、目で見た情報が頼りなんだろう。 あれが何で、どういう機能があって、どんな働きをするか。 「……おい。」 「え?」 「あいつ、俺たちに気づいてる。」 「マジで!?」 「目を離すなよ。」 …確かに、よく見たらこっちを見ている気がする。 言われた通りそいつを注視。 …瞬間。 「…クソ!」 「えっ!」 「え、しか言えねぇのか!早く来い!」 「マジか!マジか!嘘だろ!マジか!」 「…アイテムか!ロケットランチャーなんか洒落になってねぇぞ!クソが! 走れ!死にたくなきゃ死ぬ気で走れ!」 俺の手を引いて立ち上がらせた悠馬は、その場から素早く走り出す。 俺も悠馬のあとを追い、力の限り走る。 そして、 ドゴォォォォォォン!!!! 俺たちがいた場所に爆発が起きた。
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