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とりあえずパニックにならず落ち着くこと。
そして、置かれた状況の処理。
水を口いっぱいに含んで飲み干すと、空腹を満たすことを先決とした。
まともな考えは、イライラしてたらダメだ。
配給袋には、ご丁寧に数種類の調味料と鍋が一つ、そしてフライパンまで入っていた。
至れり尽くせりと思っていたら大間違い。
裏を読めば、腹を満たすために作ったものを早く消化させて、血みどろの戦いをさせたいという思惑が浮かぶ。
…究極の状況で、人間はどんな行動に出るか。
考えなくても最悪だ。
生きるために必死になるだけ。
まずは足の早い魚を食うべきだ。
鯖なんて半日ともたないだろう。
肉は、外ならまだしもこの洞窟なら一日くらいもつ。
ラップにくるまれたそれを手にすると、冷たい岩にうまく押し付けた。
そしてサバイバルナイフで鯖を捌いていく。
「…釣りの材料になるな。ま、今日は捨てるけど。」
即席の竿を作れても、肝心の糸がなければ釣りはできない。
細い蔓でもあれば出来るが、肝心の海を見ていないため、この北側にある海が断崖なのか砂浜なのかさえ分からない。
釣りをするならもう少し後。
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