無人島

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薪となりそうな木を集め、入り口近くに石で組み立てた即席釜戸。 そこで米を炊き、魚を焼き、やっと飯にありつく。 飯を食おうと思って二時間も経過していた。 場所を洞窟の奥へと移し、食いながら携帯を開く。 「アラーム機能?」 すぐに開く癖がついたのは"地図"だ。 そこに小さなアイコンがあり、押せば出てきた一番上のワード。 その説明を読めば、100m以内に自分以外の人間が近づくと、警告音が鳴ると。 …これは便利だ。 出会う人間は警戒する必要がある。 迷わずオンに設定。 GPSは正常に作動。 キーで場所を移動し、拡大縮小もできる。 ただ、島全体を見ることが出来るだけで、グーグルアースのような世界規模で見ることは不可能。 そして、違和が一つ。 地図上で建物らしきものはない。 だったら、管理本部とやらはどこにあるんだ? 刑執行人が素早く出てくるなら、島外にあるわけがない。必ずこの島のどこかにあるはずだ。 「…地下だろうな。どこかに入口があるんだろう。」 島の中心は山。 一番怪しい場所はそこだろう。 しかし、結構大きなこの島で、その出入口を探すのは容易なことじゃない。 探し当てたからと言って、中には入れる保証もないし、中に入ってもどんなことをされるのか分かったもんじゃない。
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