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「入り口探しは体力勝負になる。一日で全身筋肉痛だ。一番辛いと思うが、これもみんなのためだし自分のためだ。」
「何をすれば?」
「地面、壁。目についた場所すべて長い棒を使って、突いて突いて突きまくれ。」
「…なるほど!茂みに隠れていようと、入り口は扉があるから音が違うってことか!」
「ああ。ただそれだけの作業だが過酷だ。それでもし敵に遭遇したときは、ない体力を絞って交戦する羽目になる。
だから出来るだけ直線で横並びに探す。すぐに誰かを助けられる位置に。
じゃあここも話し合って詳細を決めてくれ。リーダー人選も宜しく。…次。」
出来るだけ効率的に、且つ簡潔に要点を述べ、任せられる責任感を持たせるための誘導を行う。
行動しながら考える方が機敏に動ける俺だが、これだけの人数がいるのだ。先に考え、それを伝えることである程度の制限を自分に課す。
「拠点の守備は度胸と機転が必要だ。
もし敵が来たら、一番最初に殺られるのはお前たちだ。だがそれは、お前たち次第でどうにでもなれること。」
「どういう意味?」
「…分かった。レーダーだろ?」
「さすが羽田。
お前たち全員が地図を開いてるよな。つまり、最前線にいるなら、レーダー探知も一番早い。
100mの距離があるなら、仲間に知らせ、仲間を呼び、仲間と闘える。…が、パニックにならずに対応し、仮に仲間が到着するまで一人で相手に立ち向かう度胸も必要になる。
そして、仲間捜し班が送り込んできた人間と敵を見極め、相応の柔軟な機転が必要だ。
…お前に出来るのか。真鍋。」
「なっ!し、失礼な!」
「………お前に出来るのか。」
「何で二度言うんだよ!」
「真鍋は置いておき、この班は二人一組のチームで行動しろ。常に拠点を中心にレーダーギリギリのライン上を巡回する。
つまり、お前らが他の人間と会ったなら、拠点からは200m離れている。その間にこっちは準備を整えよう。
…ここのリーダーは羽田がいいだろうな。あ、あと、お前は羽田とペアだ。これは決定事項だから。」
「…この野郎…いつまでも俺を見下しやがって…」
「ははっ。お前が心配なんだろうよ。さ、ペア決めしようぜ。」
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