大切なもの、いや、大切になったもの

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それぞれの班に別れて話し合いが始まった。 俺はその中央にある岩に腰を掛け、フル回転させていた頭を休ませることなく更にいい筋道を思案する。 仲間が加わったらどうするか 入り口を見つけたらどうするか 敵が来たらどうするか そんな初歩的なこと以上のもの。 管理本部を潰したとき、ここからどうやって脱出できるのか、その手段だ。 潰したなら帰還を頼るなど皆無に等しい。 ならば、船か。…運が良ければ… 「悠馬。」 「………………」 「とりあえず、みんな話し合った。」 聞けば、仲間捜し班は合言葉を決め、公務員のように8時から12時まで、1時間の休憩の後13時から17時まで捜索に当たり戻るらしい。 外にいる時間が長いため、アイテム探しも兼ねて捜索する、と。 体力勝負の入り口探し班は、体力温存も兼ねて30分毎の10分休憩を決定。 怪しいと思った場所は全員で捜索し、常に連絡を取り俺に報告してくれる、と。 巡回する守備班は、攻守に自信がある者とそうでない者とがペアを組み、もしもの時は一人が攻撃、一人が防御の形を基本とし、すぐに連絡して助けを求める。 ペアはローテで回していき、休みを必ずとって集中した状態を維持できるようにする。 常に警戒を怠らず、疑うことを最後まで決め、対応次第によっては拠点に近づけない手段を取る、と。
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