大切なもの、いや、大切になったもの

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ベルトで機関銃を背中に回しながら問いかけた。 「…目的は何だ。」 「怒ってる?なぎさちゃんの名前出したから?」 「……お前の目的は何だ。」 「バカの一つ覚え。ほんとウザイ。」 冷静になれ、見極めろ。 何度も反芻し、挑発に乗らないように心のロックを掛ける。 しかし、今さら現れた理由は? 切り捨てられた恨みか。それならば神園のところへ行きそうなものだ。 イベントは9日先。その前の手打ちか。 だがこれに関しても管理本部が徹底しているハイリスクハイリターンのようなフェア精神に欠ける。 …そう考えると… 「誰かに個人的に命令されたのか。」 「は?何?」 「…違うか。なら、お前自身が脱走してきたか。」 「…だから、さっきからなんなの!」 「……………」 こっちの方が動揺を見せた、か。 どうやら予想はあまり外していないようでホッと胸を撫で下ろした。 処刑人はやはり処刑を実行しているらしい。 管理本部がこいつを殺さなかったのは、恐らく監視下にあった神園と俺の情報を聞き出すためだろう。 それを聞き出した後、何の役にも立たなかったこいつには死が待っていた。 それを知り、隙を見て脱走。 予想でしかないが、これが一番有力だ。 …なるほど。 管理本部の人間とは名ばかり。 結局、死神や処刑人も俺たちと似たような立場で、成功イコール報酬、失敗イコール死。 常にハイリスクハイリターンの状況。
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