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きっと、岳のように大事に守ってきたんだろう。
一緒にいたときは、いつだって優先は岳だった。
離れて一人になった。そんなときに出会った男だろう。
悲痛な叫びを聞きながら背を擦り、感情を思う存分吐き出させながらも、僕は周りの状況を確認していた。
辺りに散らばる数人。
約20前後ってとこか。
ここまで仲間を集めたんだと感心。
全員が武器を所持。
主な武器は機関銃。
あのとき、双眼鏡で見た。
戦車二台と、側にあった機関銃の山。
つまり、戦車は悠馬くんが手に入れたと思っていいだろう。
少しの安堵。
だが、少しの焦り。
ここまで悠馬くんが動揺する事態に、周りが少々戸惑っている様子だ。
一番の回避を思い付き、竜くんを使って岳を呼び寄せた。
「悠馬くん、落ち着いた?」
「……………」
「そうだ。僕らを仲間に入れてくれるよね?」
「…っ!」
「悠馬くんでしょう?仲間を増やすために"仲間"に伝達を仕掛けた張本人は。
僕たち、きっと悠馬くんだろうって思ってここまで辿り着いたんだよ?分かってる?」
「……………」
「そうでしょ?岳。」
「うん。捜してたよ?悠馬くん。」
その声にハッとした悠馬くんは、声の主を見上げた。
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