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悠馬くんが集めた仲間に何も隠すことはない。全員が集まっている場所で語っていたが、どうやらそういう話は悠馬くん任せだったようだ。
かなりの負担があっただろう。
そのための"頭脳を貸せ"と納得した。
「…あーー…頼んだ。俺は少し寝る。」
「出たよ。」
「そういうのはお前の役目だろ。岳、添い寝。」
「僕眠くないし。」
「いいから。はい、ねんね。」
「子供扱いしないでよっ!」
「ハハッ!」
悠馬くんはその場で横になると、すぐに寝息をたて始めた。いろいろと疲れた一日だっただろう。
僕はその寝顔を見ながら語りかけた。
「…さっきのは、悠馬くんが思い描いていたこれからのことです。
まず、死者数が0。それがずっと続いていたのを覚えていますか?僕はそれが危険だと思っていたんです。」
「…なぜ?」
ここで言葉を発したのは、やはり"羽田"という男だった。
彼はどうやら悠馬くんに次ぐリーダー的存在らしい。
「考えてみてください。恐らくここに集まって来ている人たち以外は、ほぼ二弾目に来た人で間違いないでしょう。
ルールに含まれる"仲間・友達・恋人を作ってはならない"、それに違反した者は死ぬ運命だ。
だけど、みんなは気づいたんでしょ?もしくは悠馬くんから教えてもらったかして、仲間や友人と呼べる者は24時間という時間に括られることを。
それを知らない人たちは、単独で強かに生き延びる。生きるための何もかも、いいことも悪いことも身に付けて、ね。」
「……………」
「警戒すべきは、二弾目に殺人犯が含まれていること。仮に全員がそうだったとして、ここにいる人たち以外は強くなった殺人犯の敵になる。
なら、どういう状況が予想されるかは理解できることでしょう?僕と同じように悠馬くんはそれを危惧していたということを話していました。」
分かりやすく、丁寧に。
誰もが理解できるように気を使って話していく。
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