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日を追う毎に、想いが募って行く。
些細な事に敏感になり、隣に立つだけで胸が苦しい。
バレたくない、そう思うと近づく事も躊躇われ、なんとなく溝が出来ていった。
このままでは嫌だと思うのに、少し離れた場所から順也を見つめ、言えない想いを隠していた。
不自然な距離を詰めて来たのは順也の方だった。
「田島ぁ、俺、何かしたかな?
最近、避けてるよね、俺の事。」
少し困った顔で、どこか寂しそうに言われて、焦った。
そんなつもりじゃなかったから。
「違う!順也は何もしてないよ!
ただ…。…ただ俺が…嫉妬!嫉妬しただけなんだ!
だって、順也は勉強もバレーも出来てさ、俺じゃ、敵うものなんてないからさ!
…ゴメン。」
「良かった…。嫌われてるのかと思ってさ、不安だったんだ。」
心底安心した顔で順也は微笑んだ。
そんな顔を見たら、思わず叫んでいた。
「好きだよ!
あっ、いや、嫌いなんかじゃない。
だって、仲間だろ?ずっと一緒にバレー続けたいと思ってる。
俺、もっと頑張って、順也にいいボール上げられるようになるから!
一緒に…行くだろ?全国大会…。」
「うん!
頑張ろう!」
順也は友情からだろうけど、俺を抱きしめて、俺は飛び出しそうな心臓をどうにかしなきゃと、慌てて順也を押し戻した。
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