第1話 おじさん、勇者、魔王さま…… (1)

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まあ、そんな訳だから、ふとさ、気付くとね。俺はもうこんな歳にもなっているよ。 それに今はこんな感じの俺だけど、昔……と、いうか、十代の頃は。ナンパばかりしていた頃もあったよ……。 でもね、いつだったか、余り覚えてはいないけれど? 何故だか出来なくなったのよ、ナンパの方がね……。だからとても不思議で……。何故だろうと思うぐらいにね? でもまあ、俺の昔話はどうでもいいから。取り敢えずは今日も、我が家の商いでもある販売の仕事を終えた訳だよ。 それでお時間の方も余っているから、今日は赤穂のショッピングモールへと、マンガ本を購入しに行こうと思うんだ。 特に俺は只今、県外へと出張販売にきている訳で。先程も皆さんに述べたけれど、俺自身は皆さまとは違って、彼女も奥さんもいない訳だから暇な訳なのだ。 特にこの度の出張販売先でもある、岡山県備前市日生町の五味の市だと。販売場所と宿との距離が近くてね、夜の時間と暇を持て余してしまう事もあるのだよ。 だから今日はいつもと違ってね、少しばかり遠出をして、隣の街、赤穂のショッピングモールへと、マンガ本でも購入しに行ってみようかと、只今愛車を走らしている──それもとても楽しみに、鼻歌交じりで、車の運転をしているのだ。 だってね、特に独り身の俺は、日頃は仕事を終えると、暗くて誰もいない一戸建ての家に帰る訳だけど。 今日のように出張販売できている時は、宿に泊まる訳だしね。それもさ、良く利用して泊まる宿だから、女将や宿の御主人とも仲が良い訳で。遠慮など無くて気がねをしなくてもいいのだよ。 それに今の時期は、日生の方は牡蠣のシーズンだから、夜の食事の方は牡蠣尽くしだと思うのよ? 特に牡蠣が大好きな俺には、今晩の料理の方がとても楽しみなのだ。 まあ、そんな訳だから、先程も述べた通りの。大変に御機嫌な俺は、鼻歌交じりの愛車の運転をしている最中な訳でよ。(笑) (4)
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