第1話 おじさん、勇者、魔王さま…… (1)

8/15
前へ
/15ページ
次へ
だってね、かなりの大きな衝突音したよ──その時に俺は見えたのだ、中に何かがいるのを!? それも衝突音がする前にだよ。 だから確かにいたのだ何かが光の中に。人影?  それも二人もいた気がする……。 ひ、人を車で俺は、引いたみたいだよ。 ほ、本当にこれからどうしよう? 俺自身の体の震えも止まらないから。先程から『ず~っ』と、その場に車を止めたままの状態──それも車のハンドルを握ったままの姿で、呆然としている。 本当に後悔ばかりが走るよ、俺の頭の中で。もうどうしたらいいか!? と、ただただ、俯いて後悔ばかりをしている、自分自身がここにはいるのだよ。 何で俺は、マンガ本など欲しいと思ったのだろうか? 真っ直ぐに宿に戻れば、こんな事故など起こす事もなかったのだと、後悔ばかりをしているのだ。 それも、何度も、何度もね……。 先程も述べたと思うけど? 俺はね、仕事を早く切り上げて、隣の街。赤穂市のショッピングモールへと、マンガ本を購入するための移動の最中に、こんな大変な事故を起こしてしまった訳なのだ。 特にこの事故が起きた場所は、県境の上りと下りとが、長く続く道でね。車のスピードの方も上がりやすいコースなのだよ。 でも俺はね、言い訳をするつもりはないけれど、前方の方もちゃんと見て確認し (7)
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加