第1話 おじさん、勇者、魔王さま…… (1)

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ながら走っていたし、余所見もしていない。 それに車のスピードの方も控え目で走っていたつもりだよ。 だから俺の前方不注意ではない。 本当にいきなりさぁ、俺の車の前方に沸いた──巨大な光の玉? それで『あっ!』と思ったら、もう遅かった。急ブレーキが!! まあ、こんな感じの出来事が、先程起きた訳で。俺自身いつまでも呆然として、後悔と反省ばかりしていては駄目だ。 もうそろそろちゃんとしようよ? それこそ『シャッキ』と、しようか俺自身? 先ずは外に出て、被害者の人達を確認するのだ!! そして、ちゃんと心から謝罪をして──救急車と警察を呼ばないといけないよ!! そう自分自身に言い聞かせると俺は、慌てて車のドア開けた──頼むから車で跳ねた人達無事でいてくれよと、何度も、何度も、願い思い叫んだ。それも心の中でね。 「うっ、いた、たたた……」 「ッ……いた……」 車から降りるとね、俺の目の前には、二人……それも、声からして、女性だと思われる人達がいたよ。 大変に失礼かもしれないが、大変に変わった容姿で。 だから俺は、もしかして、映画やドラマ、特撮ヒーロー番組の撮影? それともテレビ番組の特番等のイタズラ番組なのかも知れないと、直ぐに思った? まあ、そうなら、あの巨大な光の玉と、この女性だと思われる人達の変わった容姿も、納得がいくものだからね。 (8)
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