拓未がやってきた

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「ムリムリムリムリムリムリムリムリ……」  私は首を振り続けた。  遠心力で首が飛んで行ってもかまわない。  いっそ失神して、この場をなかったことにしてしまいたい。 「でも、もう連れてきちゃったよ~」  甥っ子の拓未が可愛い顔で、甘えた声を出している。 「だ、騙されないぞ。  知ってるんだからね、そのケースの中身…」  すっかり親族でお馴染みになった拓未の趣味。  好きな生き物=カエル(しかもでかい)  もれなく生き餌がついてくる。(ゴキブリ) 「ケースの中身? 見たい?」  嬉しそうに小首をかしげてる。 「いやいや、ムリムリムリムリムリムリムリムリ!!」  私の首、いつまでもつかな……
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