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第5章 衝動
新幹線の椅子に座り、鞄から袋を取り出す。
ここ1年ほど服用している安定剤と睡眠薬が入っている。身体がどんなに疲れていても寝付けず、仕事中の猛烈な眠気を抑えるために飲み始めた薬だった。
研修で移動する度にあちこちの病院で処方してもらったため、いつしか何袋ものストックができていた。
「優等生」の仮面を被り、誰からも批判されない人生だけを目指していた私には、今更他の人生をやり直す気力も希望もなかった。これ以上今の仕事に情熱を持てないなら、このままぼろ雑巾になるまで働くなら、死んだほうがマシだと思った。
致死量なんて知らないけど、別にどうなろうと構わない。自棄になりたいだけだった。
このまま眠るだけで解放されるならば、なんて楽なんだろうと思い目を閉じた。
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