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「児童館できいたんだけどさ。その祭り、花田の町おこしで、今年からできたんだって。六月二十一日に、浅山のキャンプ場に出店が出て、ステージでショーもあるみたい。しかもさ、七時半から花火があがるんだよ~」 「へぇ~。うちの市、貧乏なのに、がんばるな~。まぁ、花火の球数的には多くないんだろうけど」 「もう、真央は。すぐに夢を壊すようなこと言うんだから。まぁ、いいじゃない。花火なんて今ままで、電車に乗らなきゃ見に行けなかったんだし。あ、打ち上げ場所は海なんだ。ってことは、浅山より町の中の方が、見えやすいかもね」  有香ちゃんも、チラシの文字に目をこらしてる。 「それで、誠は、これに綾を誘うつもりだったのか」  にやけた真央ちゃんに、肩をつつかれて、誠はうつむいた。 「うん……。でも、い~や。オレは和泉が元気なら、それでいいんだもん。女子同士三人で行ってきなよ」 「いやいや。ここはやっぱ、友だちより、『新しい恋!』だろっ! 綾、ほら、誠とデートしてきな!」  真央ちゃんが、チラシをつきつけてくる。 「え……?」 「わたしもそれがいいと思う。あんな元カレ、さっさとわすれちゃいな」 「有香ちゃんまで……」  チラッと誠を見たら、歯をかみしめて、じっと真正面からあたしを見てた。  わ……ほっぺた真っ赤で、リンゴみたい。  どうしよう……ことわる理由が見つからない……。 「……わかった。誠と行く」  あたしがうなずいたとたん、誠の顔から力が抜けた。 「マジでっ!?  オレ、ちょ~うれし~っ!! 」  目がキラキラして、ほっぺたふわふわ。  そんな顔されたら、あたしまで心がほわほわしちゃうよ。
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