嘘からでたマコト。
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聞き覚えはあるはずだった。 『
告野
(
こくの
)
のえる』 季節外れの転校生の名前は、 朝から密かに広まっていた。 だけど私は、その噂を耳にしたときも 担任の会田先生に続いて その人が教室に入ってきたときも もっと言えば、黒板に書かれた名前の前で 自己紹介を始めたときですら 彼が誰かを思い出せなかった。 そのくらい、その日は朝から上の空だった。
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