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「南雲さん、今年の夏か秋頃に結婚するんですよ」 そんなの、年明けすぐの新年会で南雲君本人から聞いている。 数年付き合っている、小学校の音楽教諭である年下の彼女の誕生日にプロポーズして、無事に婚約したはいいものの、人気のある式場は予約がなかなか取れずにいるということまで聞いている。 「南雲さんは誰にでもあたりがいいから、好ましいのは分かりますけど」 ん?何言ってるの? 「彼女さんの気持ちをもう少し考えた方が、いいんじゃないですか?」 んん? もしかして私が南雲君を気に入ってると思ってる? ちょっかい出してると思っちゃってる? 全くもう、どんだけ南雲君のこと大好きなのよ! 「あぁ、そうだよねぇ。いくら同僚でも近すぎたらやっぱり気になるよね。気を付ける!」 まぁ事実、男性である水上君や上司が近いと感じているんだから、 私の距離感はかなり近いのだろうと考えられるし、 本当に気を付けた方がいいのかもしれない。 「今後は南雲君に限らず気を付けるよ。気にしてくれてありがとね、水上君」 自分で気づきにくいことを教えてくれたから。 そんな気持ちで水上君にお礼を伝えただけ。 なのに、水上君は誉められたことがとても嬉しい!というのが手に取るように分かる照れ笑いを瞬間見せてくれた。 いや、魅せてくれた。 やっぱり水上君って、変わった子。 やっぱり水上君って、可愛い! このところだだ下がりだった水上君への興味、関心はまたまた一気に急上昇。
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