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「ねぇねぇ、手触ってもいい?」
部内の飲み会の帰り、酔った勢い(を装って)水上君に声をかけた。
「えっ、何ですか?」
いつもの、私の大好きな半笑いで、そこに戸惑いも見せつつ、でも嬉しそうに答える。
その顔に、たまらなく愛おしさを感じてしまう。
「私、水上君て大好物なんだよね。出来れば抱きつきたいところなんだけど、それはさすがに変態だから、手触るだけでいい!」
「・・・」
水上君は本当に困った顔をしながら、
「まぁ、手触るくらいなら・・」と右手を差し出してくれた。
その長身に比例するかのような細く長い指。
昔から指フェチを公言している私にとって、ご馳走すぎる水上君の指。
私は本当に嬉しくて嬉しくて、そっとカレの手に触れた後、しっかりと指を絡め、更には思わずしっかりと腕にしがみついてしまった。
「めっちゃ嬉しい!はぁ~幸せすぎる」
長身でモデルばりのスタイルをしているカレの腕は、見た目の華奢さとは違い、程よく鍛えられていて、それがまた堪らなくドキドキさせてくれる。
「水上君の腕、めっちゃ気持ちいい。離したくないわぁ」
今にも頬ずりしそうなほど変態丸出しの私。
「葉山さん、安いですね」
見た目に反して口の悪いカレは、自分の腕一本で幸せを感じている私を完全に上から見てニヤニヤと笑っている。
「安くないよ~。どんだけ我慢してたと思ってんの?てかさ、水上君モテるでしょ?それともその性格のせいでモテない?」
浮かれきっている私は思ったことをズケズケとカレにぶつける。
これがまた最高に気持ちいい!
「言いますね、葉山さん。そんなら腕離してもらえます?」
わざと意地悪を言う水上君に、いつもより親近感を感じて、私はどんどん舞い上がってしまう。
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