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結局、未だに葉山さんはオレを男として見ていない。 甘やかして甘やかして甘やかして、微塵もオレの性的欲望を感じさせないように、距離感を間違えて拒否されないように、自らオレに触れるように誘導して、そして更に甘やかして甘やかして甘やかして甘やかす。 吐き気がするほど甘やかしている。 こんなコトをするなんて考えられない。 オンナのご機嫌をとるような真似、反吐が出る。 実際、葉山さんのご機嫌をとるのはもう、飽き飽きしている。 飽き飽きしているのに、何をすればオレを意識するのか考えるのが楽しくてたまらない。 甘やかして甘やかして甘やかしてドロドロにしてやりたい。 とことんオレにのめり込ませて、オレという沼から抜け出せないようにしたい。 そこまで考えて、これじゃ変態だなと苦笑する。 下心があるほうがまだ正当な理由になる。 オレの性的欲望を微塵も感じさせないようにと思っているのは本当だけど、実際のところ性的欲望を感じたことはない。 にも関わらず、こんなにも傍にいたくて、ドロドロに甘やかしたいのは一体何なのか。 そう、それが分からないから、より一層深みにハマっていく。 考えても考えても、自分の感情なのに掴めない。 この感情が何なのかわかれば、葉山さんに執着することも無くなるのか? それとも安心して葉山さんにどっぷり浸かることが出来るようになるのか? その答えに辿り着くために、とうとう仕事終わりの時間まで葉山さんと過ごしたいと、自ら提案までしていることに、誰よりもオレが驚いている。 それどころか、未知の感情に振り回される現状も案外と悪くないどころか満たされてしまっているのだから、ホントに葉山さんという存在は質が悪いな。
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