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それからひと月。
3月14日を迎えた。
あれからも彼とは何度かメールのやりとりをしていたが、今日の予定について相談をされたことはなかった。
それでも私は不安になることはなかった。
昔から彼はホワイトデーの夜に、家までお返しを持ってきてくれていたから。
『今年は来てくれないかも』そう思っていても、彼は来てくれていた。
いつも照れた様子で、ラッピングされた可愛らしい小箱に入った白いドロップを持ってきてくれていた。
数年ぶりではあったし、子供っぽいとは思いつつも、私はどこかワクワクしながら駅から家までの道を歩いた。
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