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「ただいま」
「おかえり」
いつものように母が出迎えてくれる。
「あ、優子。誠司くんから届いていたわよ」
母から出た彼の名前に心臓がドキンと音を立てた。
母が手渡してくれたのは小包だった。
そこで私は『忙しいのが分かっていて、彼は最初からこれを送ってくれるつもりだったんだ』と理解した。
どこかはやる気持ちを抑えながら、封を開ける。
まず取り出したのはメッセージカードだった。
――――久しぶりに食べたけど、やっぱり優子のお菓子はおいしかったよ。ありがとう。お返し、いつものでごめんな。
彼の丁寧な字が綴られていて、思わず私は笑顔になる。
そして私も懐かしい味を確かめようと小箱を取り出した、その時――――
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