-1章

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1864(元治元)年4月 -??side 「んじゃぁ…ちょっくら出掛けてくるわ」 いつも通りに朝稽古を済ませ皆で朝飯を囲み 各々、市中見回りだの新人隊士の稽古だのと それぞれの仕事に行こうかとした時 いつも一緒につるんでる片割れの内の一人が徐に立ち上がり出掛ける準備をしていた 「なんだ新ぱっちゃん…朝からこれの所か?」 そんな様子を市中見回りに行くはずの大柄なアホ面の“原田左之助”が小指を立てながらからかっていた なんら代わりのない俺等の日常の光景だ 俺“藤堂平助”と少し筋肉質な体型の“永倉新八” 周りは俺等のことを“三バカ”と呼んでいる それ位、俺等は一緒にいることが多い 決してバカではないからな! 本物のバカは左之さんだけだからな! 「んな訳ないだろうか! さっさと見廻りに行かねぇと鬼の副長にどやされんぞ」 新ぱっちゃんが呆れるように叫んでは左之さんを広間から追い出した 言葉通り足蹴りで…
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