-3章

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-山崎side 仕事から戻ったら部屋に置いとった三味線があらんし 音がする部屋に行けば、見覚えのない子供が弾いとるやないか 「……ごめんなさい」 その子供はワイの怒鳴り声に驚いたのか手を止めては謝りながら三味線を返してきた なんや…周りの視線がえらい痛いんやけど 「土方君…山崎君の許可は得てなかったのですか?」 「あっ…留守だったからな」 勝手に持ち出したは土方はんか…幾ら副長やからってそれはあきませんって とうの本人は批判的な声はなんのそので無視して酒呑んどるし… 巻き添え喰らった子供は永倉はんの膝の上に座り慰められてとるし どうやらこの子は永倉はんの身内みたいやな 「千那は悪くないって 悪いのは土方さんだから…山崎も確認せずに悪かったな」 そんな謝れたら許すしかないやんか… 「別に構わんけど…悪気がないのはよう判ったし」 「本当に悪かったな 千那ももう落ち込むなって…三味線が欲しいなら今度、兄ちゃんが買ってやるから」 あぁ…妹みたいやな それにしてもめちゃ甘やかしとるやんか
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