-3章

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「しゃぁないから暫く貸しといてやるわ」 まぁ…遊郭の潜入もないやろうから手元になくても支障はないやろうし ただ気になるんは土方はんやな…変なことを企んでなければ良いんやけど 屯所内で血を見ることになるんはゴメンやで… 「山崎…少し話があるんだが良いか?」 酒を呑んでいた土方はんが手を止めて顎で外に出るように指示をしてきた 嫌な予感が的中してしもうたわ 「判りました…中庭で宜しいですか?」 ……… 「でっ…用事ってなんですか」 中庭に出ると周りに人が居ないことを確認してから話を切り出した 「監察方の率直な意見を聞く 永倉の妹の三味線の腕前をどう思う」 あぁ…土方はんは場合に寄ったら花街の潜入にあの子を使おうと考えてるんやろな 「そうですね…そこらの芸者と腕前は退けを取らんと思います 顔も可愛らしいと思いますから化粧をしたらそこそこいけるとは思います」 これはあくまでも監察方としての意見で自分個人としての意見は、甘やかされて大事に守られて育ったあの子には無理やろな 「…永倉はんや周りの人に殺されますで」 「まぁ…そうだろうな」 土方はんはあの子を監察方にするつもりはないみたいで安心したわ それから暫くしてさっきの部屋に二人で戻ったら酔い潰れた酔っ払いの介抱が待っていた あの永倉はんの妹は寝落ちしたみたいで沖田はんが部屋まで運んだらしい
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