-3章

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-千那side 左之兄と一緒に道場に向かうと威勢の良い掛け声が聞こえてきた 私はひょっこりと扉から顔を出すと何故か木刀が壁に向かって飛んで来た 「………えっ」 私は突然のことに驚いてその場に固まっていると次は隊士さんが飛んできた 「チビっ子危ねぇ!」 左之兄の慌てふためく声と同時に私の腕を誰かが引きその場から離してくれた 「総司…あれほど隊士を蹴り飛ばすなど云ってるであろう」 どうやら私を助けてくれたのは斎藤さんみたい 「えー…でも斎藤さんこれが実戦ならなんでもありですよ」 「チビっ子…どこも怪我してぇか」 左之兄が駆け寄ってはペタペタと私に怪我がないか確認をしては深い溜め息を吐いた 「…大丈夫…斎藤さんが助けてくれたから」 「今度から総司の担当日には道場に行かないようにな」 左之兄は総司さんを指差しながら真剣な表情で私に注意を促した 「総司…朝餉の時間だ 稽古を終わらせるようにと近藤さんからの命令だ」 あっ…斎藤さんも同じ用件で道場に来たんだ 隊士の皆さんはその声で木刀を所定の場所に戻し各々、広間へと向かっていった
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