-3章

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あぁ云ったものの…1人だと退屈だなぁ でも1人で部屋の外に出るのは気が退ける…特にあの武田さんって人の敵意ある視線が怖い 「あっ…お千那ちゃんいたいた 申し訳ないが勇さん達の所にお茶を運んでくれないかい? 私は今から出かける用事があってね」 部屋で三味線を弾いてるとお茶を持った井上さんが顔を覗かせた 「近藤さん達の所にですか? …判りました」 湯呑みの数は4つとお饅頭が1つ…私はお茶が冷めないように早足で近藤さんの部屋に向かった 「近藤さん…失礼します 井上さんに云われてお茶を持って来ました」 私はひょっこりと障子から顔を除かせると近藤さんが満面の笑みで私を出迎えてくれた 「お千那ちゃんありがとう…良かったら一緒に飲んで行くといい」 「井上さんもそのつもりで貴方の分のお茶とお饅頭を用意してくれてますから」 云うより行動が早いと思ったのか山南さんは私からお盆を取れば手を引いて中へと招き入れた 「丁度、休憩しようと思っていたから気にしなくて良いぞ」 近藤さんはバシバシと自分の膝を叩きながらここに座るようにと促していた 勿論、丁重にお断りしました
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