-1章

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「…新兄様…遅い」 「あはは…悪かったって あとで甘味でも連れていってやるなら機嫌治せ」 そう云いながら兄様が乱暴に髪を撫でた 髪が乱れるから辞めて欲しいって云ってもいつも聞いてくれない でも…兄様に頭を撫でられるのは嫌いじゃない 少し骨張った手も好き タコの出来た手が好き 優しい声も 一通り撫で終えた後に髪を整えくれる仕草も好き 新兄様の全ての行動が大好き 「…金平糖も」 「千那は昔から金平糖好きだもんな 勿論、良いぜ」 新兄様…違うよ 私が金平糖を好きになったのは新兄様が原因だよ 兄妹喧嘩した時の仲直りの合図 友達と喧嘩して泣いてると慰める時 新兄様が家を離れる時 色々な時に金平糖をくれたから だから金平糖が大好きになったんだよ 大好きな新兄様の想い出が一杯だから
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