嫌われ者の日常

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ガラガラッ 「はーいてめぇらー。 さっさと席につきやがれぇ。」 いつの間にかHRの時間が来たらしく、我らが担任、泉田 潤(いずみだ じゅん)先生が入ってくる。 見た目ホストでいつもやる気のないダルそうな雰囲気を醸し出している教師らしくない教師だが、顔がイケメンだからか話しかけやすいからか、生徒達からの人気は高い。 今も先生が入ってきてから、ちっこい男共はかっこいいだの抱いて欲しいだのときゃいきゃいはしゃいでいる。 余談だが、先生はみんなに“じゅんじゅん”と呼ばれ親しまれている。 “ジョン”と呼んでいる生徒も居るらしい。 理由は「英語教師だから」だそうだ。 最初は少しびっくりした。 ホストみたいななりして口から流暢な英語が発せられるのは違和感しかない。 正直未だに慣れていない。 「はいはいみんなおはよーさん。 今日も全員出席してるな、いい事だ。 特に連絡は無いから解散。 1限目遅れんなよー。以上。」 そう言って教室を出ていくじゅんじゅん先生。 テキトーではあるがやる事はきちんとやってくれる教師なので、俺も好感は持っている。 先生もイケメンだが、教師には言い寄ったりしていないので嫌われてはいない……はず。 とは言え噂ぐらいは耳にしているだろうから、実際のところは分からない。 俺は仲のいいお友達を作りたくないだけで、教師に嫌われる事は避けたいところだ。 おっさんは対象外、という事にしておこう(とは言えじゅんじゅん先生はまだ25歳なのだが)などと思っているうちに、1限目は移動教室らしく生徒達は移動を始めていた。 1限目は…化学室か。と思い出し、俺もみんなに続いて教室を出る。
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