嫌われ者の日常

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ーーーーーー そんなこんなで今日も平和に何事も無く(授業の合間にイケメンに話かけまくって周りに冷めた目で見られる流れは日常だ。何事でも無い。)一日の授業を終え、下校の時間となった。 寮へと向かう間にもイケメンへの声掛けを怠ること無く、早く部屋で一息つきたいと走り出したい気持ちを抑え、若干の早足で帰宅する。 俺の部屋は5階。 普通は2人部屋なのだが、ありがたいことに俺には特待生という理由で1人部屋が与えられている。 普通の2人部屋よりは若干小さいらしいが、それでも十分すぎる広さだ。 この寮は13階建てで、1階にはエントランス、大浴場、あと寮の管理人室。 2階には食堂(という名の高級レストラン)、食材・日用品売り場、それと娯楽スペース的なのがあるらしい。 俺はその1、2階と5階くらいしか使わないので、ぶっちゃけその他の階はよく知らない。 まあ寮なのだから全生徒の部屋があるんだろうけど、俺に友達なんてものはいないので知る必要も無い。 まあ全生徒が暮らしているだけあって、超高級ホテルの様なデカさと豪華さだということは言っておこう。 さて、と。 寮の説明はこのくらいにしておいて、部屋に入った俺はそこで漸く一息つく。 はあ…特にいじめられてるとかそういうのは無いが、こう毎日生徒からの陰口を受けていると精神的に疲れがくる。 とりあえず飯にしよう、と向かった先は備え付けのキッチン。 金持ちの生徒達は自分で飯の用意などするはずもなく、大半が2階の食堂でディナーを楽しんでいるが、俺は態々飯の時間まで生徒からの陰口を受けたくないので自炊している。 元々料理は嫌いではないし、折角キッチンも備わっているので自炊の方が断然いい。 食材は予め買い貯めしてあったので、一人分の晩御飯をぱぱっと作りたいらげる。 その後は備え付けの風呂に入り、眠くなるまで自主勉をして就寝する。 これが大体の俺の日常だ。 これから3年間、この日常を同じように繰り返して無事に卒業していく未来を予定していたのだが…現実はそう上手くは行ってくれないようだ。 いつからか少しずつ、俺の日常は崩壊の一途をたどっていった。
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