01 美形でアイドルで獲物な先輩

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01 美形でアイドルで獲物な先輩

学校の図書室って眠い。 室内ではお静かに、が基本ではあるけれど十代の学生が客層をほぼ占めているから、そんなお約束は破られても致し方ないといった空気が流れているのが常だ。 かといって、あからさまに騒ぐと白い目で見られるのもその場特有の慣習。 静かすぎず騒がしすぎず、流れるのは程よい雑音。 人によってはそれすらも許されない物音なのかもしれない。 私にとっては心地よい子守唄なんだけど。 ただでさえ昼食後という眠気が猛威を振るう時間帯なのに、こんなの拷問だ。 あーもう、私もあんな風に眠りたいよ……。 少し先、窓際の席で丸まっている背中を尻目に欠伸を噛む。
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