西武園ゆうえんち

2/7
前へ
/111ページ
次へ
 ニヤッとした、いたずらっぽい表情を美伽が見せる。こんな顔を学校で見せることはあまりない。 「別に女の子と乗ったわけじゃないよ、多分よみうりランドに都築(つづき)達と行った時だったかな……」  僕は慌てて否定した。別に女の子と行ってない、なんて言う必要も無かった。 「領家くんて、都築くんたちとも仲いいもんね」 「まあ、都築は誰とでも仲がいいけどな」 「そういえば、三崎さんが都築くんのこと好きなんでしょ?」 「え……そうなの、知らなかった。三崎千佳が都築を好きなの?」  もうしょうがないなあ、と言いながら美伽は色々話してくれた。女子の中で友達がそれ程多いとは言えない彼女も、情報だけは入って来ているようだった。僕の知らない新情報も色々聞かせてくれる。 「へえ~、関根ってこういう情報網から外れてるんだとずっと思ってた」 「ひどいな領家くん、中学生になって少しづつ輪に入っているんだから」 「いや、だって関根は今までこんなことを話さなかったしさ……」  同級生の話を美伽としたこと自体があまり無く、彼女はこういう話をしないものだと決めつけていた。 「うん、そうかな。あんまり自分には関係ない話だと思ってたしね。領家くんも、そこそこ女子に人気があるんだよ」     
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加