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その部下の1匹が公園で心無い人間に捕まって酷く虐待され、ゴロがそれを助けようと庇って、その心無い人間に惨殺されたという・・・
・・・ゴロは、最期まで熱い雄猫だった・・・
・・・身を呈して、愛する部下を護ったんだからな・・・
遺された部下達は、守った部下に死に際に伝達した大将であるゴロの遺志・・・
「猫並みに自由気ままに生き抜け!」
というメッセージにより、猫軍団は解散。
ある者は、そのまま野良猫と過ごし、人間のボランティアに保護され飼い主に譲渡され、飼い猫として生きていく者や、
捕獲され、去勢された地域猫となった者もあり、
その地域猫になった、この区域に住む元部下から、前々からアルに見せたい事があると言われていたが、
「もう、二度と現れない。」
と言う強い意思の元躊躇していたが、
突然の気紛れか、アルはあえてあの場所へ行くことに決めたのだ。
「あっ!アルさん!!」
片耳を地域猫の証の切りかきのあるキジトラの猫が、野良猫のアルを見つけて満面の笑みを浮かべて走ってきた。
「アルさぁーーん!!待ってました!!」
キジトラの地域猫は、アルと鼻と鼻を触れ合って挨拶をしてきた。
「元気か?決闘の時、俺のネコパンチどうだったか?」
「はい!痛かったです!!」
キジトラの地域猫は、決闘の時から好感を感じ取っていたアルまた逢えた喜びで、尻尾をウネウネさせながら言った。
「アルさん、お恥ずかしながら・・・俺、あれから人間に捕らわれて『タマ』取られて・・・見事『地域猫』になってしまいました。
アルさんは、確か『地域猫』が嫌いだと聞いたもんで・・・」
「そんなことねぇさ!!オメエ、ゴロ大将の部下だったんだろ?
ゴロ大将の部下に悪い猫はいねえよ。」
野良猫のアルは、キジトラ猫の肩にポンと脚の肉球を乗せてニコッと微笑んだ。
「アルさん・・・ありがとうございます!!申し遅れました!!俺、『イニ』と申します!!お見を知りを!!」
キジトラのイニはそう言うと、アルに軽く会釈した。
「で、俺に何か用か?」
キジトラのイニはアルの耳元に口を当てて、ヒソヒソ話をした。
「なにぃーーーー!!あのゴロの子がこの街に居ただとぉぉーーーー!!」
「しーーーっ!!アルさん、声がデカイ。落ち着いて落ち着いて!!」
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