第一章

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私はたまらず悲鳴をあげそうになって、歯にスキマが空く 彼はそれを待ち構えていたように、ぬるりと侵入してくる 彼の唾液で口の中がいっぱいになる 「飲め」 といって唇をふさぎ、また執拗に攻め立てるからゴクンッと飲み干してしまった そのあとも彼は舌をねじ込み楽しそうに私の口の中を犯す 身体が中から熱い、 (なんで?やだやだ…) 私の心とは関係なく快楽に飲まれる身体を抑えようと、爪を立てて握りこぶしにぎゅっと力をいれる 血がにじむと彼がそれにすぐ気付く 彼はよりギラギラした瞳で、嬉々としている もう考えがまとまらない、 (暑い、熱い、あつい) 頭に血が上りすぎて目元がチカチカしてきた 「暖房けして…」 身体が浮く感覚になる ぐったりした私を抱きかかえると、 彼がまた私の手のひらの血をすすってひどい顔をしているー
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