第一章

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さっきの食料だってそうだ、あんなにたくさんのコンビニのお総菜はうちにはなかったからひどい雪の中外に出て買ってくるしかない 口数は少なくて自分はヴァンパイアだとか変なこといっていたけど、ずっとずっと、私に優しかった 自分勝手に孤独を埋めるためにあの人を利用して、本当はどこかでわかってたから全部あの人のせいにして、私はこのお風呂みたいに冷たくひどい言葉を投げつけて、大雪の中追い出してしまった さらに自分が嫌になる、泣く資格なんてない人間なのに涙が止まらない なんて卑怯で浅ましい人間なんだろう… 冷たいシャワーを終えて、ベッドルームへいく、昨日の痕を消したくてシーツを全部外す すると何かがポロっと落ちる、 (牙だ…!) 白く美しく、そして猛々しくとても鋭い牙が二本、 心臓がドキドキする、 (これは彼のものなんだろうか…?) でも、人間の歯にはとても見えない、 変な考えに至る前にそれをサイドボードの引き出しにしまい込む そして何も考えないようにしてシーツを取り替えて洗濯機を回し始めるー
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