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「逝く前にひとつ教えてやる」
「ンッ……アア……」
征司は限界まで僕を追い詰め
息も絶え絶えの身体を抱きながら囁いた。
「俺がやったんじゃない」
これは
マジで――。
征司の息も途切れがちになり
熱く僕の耳を湿らせる。
「どういう……事……?」
「薄井だ」
その名を口にするのも憚られるのか。
「アッ……アアッ……!」
憎々しげに僕を奥まで突き上げながら征司は言った。
「誤算だった」
誤算――。
「俺が締め上げてやるはずだったのさ。それが……」
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