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幾日かぶりに外へ出ると。
放り込まれたベントレーの後部座席に
新しい服が一式揃えて置いてあった。
僕の好きなブランドではない。
完全に運転席の洒落男の趣味だ。
しばらくはシャツに袖を通す気にもならず
僕は裸体に柔らかなニットを撒きつけたまま
猫のようにそっぽ向いていた。
しかし信号待ちで
派手なくしゃみが響くと同時。
「いい加減それ返せ」
前から伸びてきた腕が
非情にも全裸の僕から温かな毛布を掻っ攫って行った。
「早く服を着ろよ」
素早くコートを羽織り直すと
バックミラー越しに。
「留置所から出たばかりでまた警察に捕まるのはごめんだろ?」
呆れ顔でそう言って
征司はアクセルを踏み込んだ。
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