episode227 悪魔狩り

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「入れよ」 「入れって……」 間違いなく入院患者のいる病室だ。 しかし考える間もなく 背中を押されその部屋に押し込まれた僕は――。 「あ……」 まさか 思ってもいなかった光景を目の当たりにすることになる。 「夜逃げの準備か?」 征司の声を聴くと 枕元の小さな灯りを頼りに荷造りしていた男は 「これは……」 呆然と立ち尽くしたまま これ以上ないほど顔曇らせ僕らを見つめた。 「薄井……」 僕もまた同じように固まった。 かける言葉がうまく見つからない。 だから言った。 「思ったより元気そうだ。聞いてたよりはずっと――」
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