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人の悪い王様は
肩から落ちるニットを引っ張り上げながら
「おまえのイチモツが切り落とされて穴に埋められたって言ったんだ」
気だるげに低く笑った。
「埋められたじゃありません。詰められたと言ったんです」
僕が訂正すると
薄井はさすがにやりきれない顔して頭を振った。
「もう勘弁してくださいよ。それ相応の罰は十分受けたでしょう」
こちらを向くと首筋から胸元にかけて包帯が巻かれ
その手のあちこちに痛々しい防御創があった。
あの日
本当に僕の隣で襲われたんだ。
「いったい誰がこんなマネ……」
生々しい傷跡にゴクリ喉が鳴る。
「おい、俺じゃないと言ったろ」
「でも……」
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