episode227 悪魔狩り

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それでやつも観念して再び重い口を開いた。 「最後――俺を襲った男が去って行く時に」 「男の顔を見た?」 「いいえ」 薄井はちらと僕を見ながら首を横に振った。 「襲った男は覆面姿だったので」 「何が言いたいんだよ!」 的を得ない。 はっきりしない。 痺れを切らしたのは僕の方だった。 「結局何がどうしたんだって?」 苛立ち紛れ ベッドサイドの椅子を蹴飛ばしてやると。 薄井が気の強い猫目を細める。 覚悟しろとでも言いたげに――。 征司は僕の蹴飛ばした椅子を 足先で器用に起こすと 「話はまだ続くのか?」 長いニットを引きずるように腰を下ろした。 「少し飽きてきた」
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