episode227 悪魔狩り

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耳から染み渡る 独占欲とあからさまな愛欲が僕を混乱させる。 「どうしたらいいの……僕はどうしたら……」 口をついて出る 気弱な女みたいなセリフ。 「もう、やめて……」 ヒロイズムに酔った 己の喘ぎ声がより一層 「アアッ……」 耳だけで絶頂を迎えそうなまでの快感へと導いてゆく。 そんな顔をまた 激しく関係した男に覗かれているなんて。 「任せておけよ。俺に全部――」 歪な事態が折り重なって ますます僕を身悶えさせた。 「裁判になんてしないで……だって九条さんは……」 「大丈夫。世間に家族の恥を晒すようなことはしないさ」 「それじゃ……どうするの……?」 征司は今にも泣きだしそうな僕を宥めるように囁く。 「私刑について俺はよく考える。時と場合によってはそれも悪くないんじゃないかと」 それこそ――征司が悪魔狩りと呼んでいたもの。
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