episode227 悪魔狩り

5/30
前へ
/30ページ
次へ
習慣とは恐ろしい物だ。 「おまえをちょっと懲らしめてやろうと思っただけさ」 「ちょっと……懲らしめる?」 もっと恐ろしいのは 独裁者の歪んだ倫理思想。 「分かってると思うが、ここは本物の留置所なんかじゃないし、あいつらも本物の刑事じゃない」 「うそ……」 元々 鍵なんかかかってなかったんだ。 征司は腕利きのマジシャンのように いとも簡単に牢屋の扉をすり抜けこちら側にやってきた。 「本物の国家権力はあんな取り調べはしないし――おまえの風穴に媚薬塗りたくってるほど暇じゃないのさ」 「あ……いやっ……!」 「どれ、見せてみろ――」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加