episode227 悪魔狩り

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触れられただけで 快楽の底無し沼に引きずられそうになる。 だけど何にだって逆らうのが僕だ――。 「それ以上勝手にしたら……舌を噛んで死にます」 「何?」 振り向きざま吐き捨てて 本気だと証明する為に僕は唇の端を噛み切った。 「よほど血生臭い話がしたいらしいな」 征司は行き過ぎた悪戯をした後の子供みたいな顔で 面倒臭そうに舌打ちし僕を睨んだ。 「天宮の当主になったからって何でも思い通りになるとお思いなの?」 思った以上にきつく噛んだ。 言葉を発する度 生温かい血液がじんわりと滲んで。 「ごめんだよお兄様――僕はごめんだ」 ただでさえ赤い僕の唇を さらに真っ赤に染めてゆく。
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