第一話脚本

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②模擬戦  黒土で覆われたフィールドをAAが疾走している。  塗装はカーキ色で、右肩には清里のロゴ、左肩には日本国旗と自衛隊のエンブレムと所属を示す数字が塗装されている。  装備は右手に大型のサブマシンガン、左手は機動隊のような長方形の盾を持っている。  AAのコクピット内。中央のシートには主人公である龍見恭介が座っている。  装備はパイロットスーツとヘルメット。  パイロットスーツは空自の戦闘機乗りのような見た目で、4本のベルトでシートに固定されている。色は機体に合わせたカーキ色で、ところどころにモスグリーンのラインが入っている。  ヘルメットは頭全体を覆う、これまた戦闘機のパイロット風で、透明のバイザーには何かデータが表示されている。  コクピット全体は球状で、180度のディスプレイに外の景色が映っている。   外は、遮蔽用の四角い構造物と起伏のあるむき出しの土の訓練場。  ディスプレイには200メートルほど離れたところに2機のAAが映っていて、ディスプレイには距離や相手の識別番号、敵であることを示す赤いマーカーがCGで表示されている。  二機が此方に向かってマシンガンを撃ってきている。   「甘いな」  左右のフットペダルを操作すると、恭介のAAが真横に滑るように動いて、マシンガンの弾は恭介のAAの移動からワンテンポ遅れた場所に着弾する。  AAの脚部は踵がボールをはめ込んだような構造になっており、踵の球にトルクをかけて走行する。この構造のため、慣れは要るものの真横に走ることも可能な構造になっている。  移動の補助用に装備された半重力ブースターを吹かせて左右に移動するスピードに緩急をつけながら二方向から浴びせられる銃弾を回避していく。  よけながら反撃していると、インカムから悲鳴のような声と警告音が響く。 「すまない、龍見。落とされた!」 『警告!僚機ムラサメ03。継戦不能』  僚機が戦闘不能になり、戦術AIがその旨を伝えてくる。
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