第3章 正しい情報のある場所。

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「お待たせー!」 ダイニングの扉が開いて、おば様とおじ様が入ってきた。 続いてセキ兄ちゃんナキ兄ちゃん、そしてうちの家族が入ってくる。 ・・・婚約者さんはまだなのかなぁ。 それとも、じゃじゃーんと登場させる予定?? 「またゆっくり話そう。」 マキはそう言って自分の席へ向かう。 私も割り当てられた自席へ移動した。 みんなが席に着くと、給仕さんたちが乾杯のためのドリンクと前菜を運んできた。 今日はフルコースかぁ。 あれ、でも、席が一つ足りないよね。 婚約者さんの・・・ 「それでは、セキ=クミールとアイラ=ミライの婚約を祝して・・・」 え? アイラ=ミライって言った? うちのお姉ちゃんを呼んだ?? 両目も口も、ついでに鼻の穴も全部開け放ってポカーンとこちらを見ているマキと目が合った。 多分私も、マキと同じ顔をしてるはず。 「2人と両家に太陽神のご加護が降り注ぐことを祈って・・・かんぱーい!」 おじ様の高らかな発声に私とマキ以外の家族たちが杯を掲げ、口にした。 ダイニングにはいつの間にか使用人の皆さんが20人ほど立ち並んでともに杯を口に運んでいる。 一拍の後、拍手が沸き起こり、セキ兄ちゃんとアイラお姉ちゃんが恥ずかしそうに、でもとっても幸せそうに見つめ合って微笑んでいた。 「「聞いてませんけどーーーー!????」」 マキと私の声がハモるのをいたずらっこのような顔で見ていたおば様が、「サプライズ大成功ー!!!」と、本当に嬉しそうに叫んだ。 いや、子供じゃないんだから。
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